立山登山マラニック 参戦記録・コースレポート〜登り続けた先に絶景が待っていた〜

こんにちは!てつです!

だいぶ昔の話ですが2019年8月23〜25日に立山登山マラニックという大会に参加してきました

マイナーでクレイジーな大会ですが、最近は知名度も上がってきて2019年はすぐに定員が埋まったとか(20年度は抽選方式)

今回はそんな情報の少ない立山登山マラニックの参戦記録です!

前日からの大会の過ごし方や、参戦してみて感じた攻略ポイント、レース以外の注意点などを書いているので、参加を検討の方は参考にしてみてください!

第26回 立山登山マラニック
更新情報 2023年8月21日 NEW! 大会要項 2023年8月18日 NEW! 大会規約・遵守事項

2020年もコロナ禍の中で開催に踏み切ってくれていて、大会関係者の方には感謝です(参加してませんが笑)

追記:第24回大会は2021年は8月28日(土)開催予定で検討が始まったようです

立山登山マラニック
第24回立山登山マラニックは、8月28日(土)開催予定です。 早くコロナが終息すればいいですね。 雄山神社 芦峅中宮
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立山登山マラニックってどんな大会?

人間は山の頂には憧れを、海には広大な夢を、河川には源流に探究の想いを抱き続けてきました。

文明が進化し、乗物が進歩して日常がスピード・利便性・効率性に支配された昨今、本来の人間のもつ力・感覚・感性・能力はどこか失われているように感じます。

1,300年の昔から「立山」は、山岳信仰の聖地として全国各地から極楽浄土を求めて多くの禅定登山者が自らの足で頂上を目指してきました。

原生に立ち返り、二本の足だけで汗をかきつつ、海抜0mから3,003mへの頂きを目指して、駆け上りましょう。

豊な自然の風、雲、雨、太陽、大地の中に溶け込み、自らの限界に挑戦することでそれぞれの「生命(いのち)の輝き」を感じ事ができるでしょう。

大会公式HP より

こちらの大会は海抜0mから立山の頂上3003mまでの65kmを走って登ろう!という大会です

あの雪の壁で有名な「立山黒部アルペンルート」もコースに含まれています

雪の壁で有名な立山黒部アルペンルート(8月は雪ないです笑) 引用:photoAC
  • タイムを取らない
  • 順位も決めない
  • 日程的・金銭的にもハード
  • ひたすら登りっぱなし

普段マラソンやトレイルランを行っている人にとってはあまり魅力的に映らないかもしれませんね

しかし、トレランする方でも2000m超えた環境で走ったりする機会って実はあまりないのではないでしょうか?ましてや3000mまで登ったことないよ・・という方もいらっしゃるのでは?

そういった普段のトレイルランニングでは遭遇しにくい登山の領域も一緒に楽しめるところがこの大会の魅力だと思います

ランニングも登山も好き!という人は間違いなく楽しめる大会です!

立山ってどんな山?

立山は富山県の山で、日本3霊山のひとつに挙げられています。(残りの霊山は「富士山」と「白山(石川県)」)

ちなみに立山という頂上を持った山は存在せず、「雄山(3003m)」「大汝山(3015m)」「富士ノ折立(2999m)」からなる立山連峰の総称として立山と呼ばれています。

私は登山をにわかで行なっているのですが、立山には親に連れてこられてこれまで4回くらい登ったことがあります

3000mと聞くと怯んでしまうかもしれませんが、標高2450m地点の室堂まではバスで行けるので、最低限の体力と装備があれば登頂可能

小学生の時に普通のスニーカーで登れたくらいですからね(登山者からしたら危険な存在ではあったと思いますが・・・)

また、バスの付近にもたくさんの散策コースがあるので、山頂まではしんどい・・・という方も楽しめるようなところです

バスの到着地点、室堂からの展望(真正面の山が雄山)

大会では富山湾の浜黒崎という海岸から立山の頂上 雄山3003mを目指します

レース前日〜スタートまで:富山入りして入念な準備・早寝

大会のスケジュールはざっくりとこんな感じの2泊3日でした

  • 1日目(移動日)  :大阪発、富山入り ホテル宿泊(富山駅)
  • 2日目(レース当日):早朝スタート/ゴール 山荘に宿泊
  • 3日目(移動日)  :朝のバスで富山駅まで移動 大阪へ帰宅

1日目(移動日)

私は大阪住まいのため、会場の富山に前入りする必要がありました

なので、大会前日の金曜日はお休みをいただき、こそこそと富山へ移動

時間もあるし節約のためバスで行きました

電車の場合、関西からだと”特急サンダーバード+北陸新幹線”、関東からだと北陸新幹線1本で向かうことができます

富山駅前の宿は4300円でしたがワンルームのような室内は綺麗で広かったです

窓がないけど翌日は夜明け前に起床のため無問題!

ワンルームマンションみたいなホテル

駅前で買い出しをして、夜ご飯は白えびかき揚げ丼を食べました

おいしかった・・・

大会に参加されるであろう別のグループが楽しそうにしてて、ボッチ参加も楽だけどこう言う時寂しいんだよねぇと思いつつお店を後にします

白えびかき揚げ丼 前日だけど揚げ物食べちゃう

スタート地点の海岸までは富山駅前から大会用のシャトルバスが翌朝2〜3時頃に出発するので、前日は夜8時頃には寝ました

2日目(レース当日)

夜中の1時、普段は寝る時間に起床

準備をしてシャトルバスでスタート地点の浜黒崎の海岸へ向かい、そこで受付と荷物預けを行います

46km地点の称名エイドと60km地点の室堂エイドでピックアップする荷物をそれぞれ預けて、スタートまで海岸沿いをぶらぶら

といっても真っ暗なので何も見えません

海抜0mで海にタッチするのが慣習になっているようなのでみんながキャッキャしているのを横目に海にタッチ

ここから3003mまで登っていくのか・・・と思うと胸がわくわくしてきました。

ちなみに、私がたまに拝見するYoutuber?の山本さんがいらっしゃって「本物だー!」とミーハーは勝手に盛り上がっていました(笑 

こうしてテンションMAX?で4時のスタートを迎えます。  

山本さんの参戦動画

◾️レース前半:河川沿いの砂利道とボディーブローのような登り道

コースマップはこんな感じです

注意:満身創痍で走っていたため前半の写真はありません(お許しを

スタートは富山市内の浜黒崎海岸

海抜0mから3003mの山頂までというストーリー性が非常に魅力的です

まずは、荷物を受け取れる称名エイド46km地点まで頑張ります

ここまでの道は多少の砂利道はありますがロードが基本。私はターサージール(薄底)で臨みました

スタートから20km:河川敷コースで砂利道も多め

スタート後は常願寺川沿いを延々と遡っていくことになります

スタートは午前4時

あたりは真っ暗な川沿いを進むのでヘッドランプがあると安心です

あと砂利道が多かったので、ソールがフラットな厚底シューズ(ナイキズームフライ系)だと足元が覚束なくなりそうな感じ

全長65kmを登っていくという未経験ゾーンに突入するため、ペースは6’00/kmくらいで刻んでいきました

20km〜46km称名エイド:ロードを登っていくがアップダウン祭り 

21kmの岩峅寺まではゆるやかな登りで、ほとんど登っている実感がないくらいですがそれは勘違い

気づかない間にボディーブローのように溜まっていた疲労が、21km以降の本格的な登りで明らかになります

ロードをひたすら登っていくのですがこれが非常にしんどい・・

今回特に登り対策などはせずにきたので、予想外の疲労に焦りつつ、逃げちゃダメだと自分に言い聞かせながら登っていきました

ちなみに、「全体的に登っていく」というだけでアップダウンはたくさんあります

この先登っていくことが分かっているので下りがあるたびに心が折れそうになります(下った分はあとで登らないといけない・・・

そんなランナーを支えてくれるのがあちこちにあるエイド

公式エイドとは別に、ご好意で準備してくれている私設エイドが道中たくさんありました!

しそジュースとか果物とかスポーツドリンク、そして温かい応援

くじけそうになる心を何度も支えてくれました!

30km以降から死にそうになってたのですが、自分を奮い立たせながらなんとか称名エイドに着きました

ここで衝撃の通告!!!

「この先、八郎坂が前日の雨で崩壊してしまっているので、バスで移動してくださーい」

・・・・えっ!?

まじか・・・・

八郎坂は称名エイド(46km)と弘法エイド(50km)の間にある急坂で立山登山マラニックの名物の一つです

これで純粋な3003mまでの一筆書きはなくなってしまったと落胆・・・

一方で、助かったという気持ちが複雑に入り混じります

それでも、バスで移動の手続きを取ってくれるだけでもありがたい

もし46kmの称名エイドで終了だったら不完全燃焼もいいところです

大会スタッフの方に感謝!ありがとー!

そして、バスが来るまで1時間程度待ちました(早いグループは先に出発していました)

◾️レース後半:絶景コースのオンパレード

後半の地図はざっくりこんな感じ(公式HPより)

土砂崩れの影響で「46km称名エイド〜53km地点弥陀ヶ原エイド」は私は走れませんでした

53km弥陀ヶ原〜60km室堂:バス道を緩々登っていく

結局、関門時間の関係で53kmの弥陀ヶ原エイドまでバスで移動し、そこからリスタートしました

弘法エイド(50km)〜弥陀ヶ原エイド(53km)の間には唯一の木道コースあったのにそちらを走ることは叶わず。うう、無念・・・

弥陀ヶ原から室堂までは雪の壁で有名な立山黒部アルペンルートのバス道をゆるりと登っていきます

雪の壁で有名な立山黒部アルペンルート(8月は雪ないです笑) 引用:photoAC

途中で広大な弥陀ヶ原を見下ろしたり剱岳が見えたりと美しい景色を見ながら走ります

バス移動のリスタートまで十分に休憩できたので体調はよく、景色を楽しみながら走ることができました

60km室堂〜ゴール:石畳とガレ場を登っていく 

室堂から先は一般の観光客もたくさんいるエリア

走らずにスピードハイクのような感じで整えられた石畳を63km地点の一ノ越まで登ります

一ノ越から先は写真のようながれ場を登っていきます

一ノ越から雄山方面を望む(山頂は写真のさらに向こう側)

ここは急坂だったり浮石があったりと意外と危ないところ。慎重に登っていきます

長かった65km・・・・厳密には58kmだけど

海からここまで走って登ってきたんだなぁとしみじみした、そんな思いを噛み締めながらゴール!

これ以上登らなくていいんだという安堵、登り切ったんだという達成感に包まれます

過去の大会は天候不順で室堂ストップのことも多々あったようなので、途中でトラブルがあったとはいえ頂上まで登りきれたのは幸運でした

本当にうれしく思いました!

1人ずつ写真も撮ってくれた

◾️レース終了後〜翌日:大会後も立山・富山を満喫 

立山の頂上、雄山には小さな神社がありそこで祈祷してもらいます

360度パノラマで祈祷していただくというのはとても不思議な体験でした

鳥居の奥が頂上の雄山神社

走り終えた満身創痍な体で荷物が預けてある室堂まで安全に下山

大会は宿泊付で申し込んでいるので、室堂から雷鳥荘まで荷物をもって歩きます

この室堂から間が1kmくらいのアップダウンがある石畳でなかなかハード

私はこの道はリュックじゃないとつらいと分かっていたので登山用リュックで荷物を持ってきていたので問題なし!

大会側も注意事項に書いてはありましたが、大変そうな方がたくさんいました・・・

雷鳥荘では大会参加者で一緒にご飯を食べ、宴会的なものが用意されていました

ちなみに立山は火山帯のため雷鳥荘では温泉に入ることができます。最高です

私は一人参加だったのですが、同部屋の方に声をかけていただきご飯やら翌日の早朝散策やらご一緒させてもらいました

前日あれだけ走ったのに、翌早朝から起きて行動できるのは旅、そして登山ならではですね

雷鳥にも巡り会えました。ピヨ(雷鳥の鳴き声は牛に似ています ピヨとは鳴かない)

帰りは9時頃発のバスで富山駅まで下山

駅では美味しいお寿司をいただきました

行列ができていましたが帰りのバスの時間ギリギリで間に合ったので助かりました

富山まで来たんだし贅沢してもいいじゃん

普段の大会では味わえない貴重な体験ができました

長々とお付き合いありがとうございました

最後に大会攻略のコツをちょろっと記載しておきます

◾️大会の攻略のコツ

・前半(称名エイドまで)/後半(称名エイド)の靴の選定

私は前半ランニングシューズ(アシックスターサー)、後半トレランシューズ(サロモン センスライド)でいきました

後半のシューズは預け荷物にいれて46km称名エイドでピックします

今回は登っていない八郎坂や室堂以降は石畳やガレ場を登っていきます

少なくとも称名エイド以降は厚底シューズ(ズームフライ系)はグリップや足首周りが不安と思うので避けたほうが良いと感じました

ロードも走れるトレランシューズ1足でいけるのが理想です(正直センスライドで通しで走ってもよかったですね。荷物減りますし)

・登りの走りを想定

登りを走り続けたら自分がどうなるのか本番前に想定・体験しておくとよいでしょう

私は峠走などやっていませんでしたが、想像していたよりもハードでした

距離は短いですが、100kmマラソンかそれ以上くらいの気持ちで挑むと良いかもしれません

・補給&猛暑対策

公式エイドに加えて私設エイド(ボランティアの方のエイド)がたくさんありました

私設エイドを当てにするのはあまり良くないとは思いますが、道中でドリンクを頂ける可能性が高いので、過剰に補給をもつ必要はないように感じました

荷物が重くなるとその分疲労しますし(万が一の時の自販機はたくさんあります)

ただ、8月の大会で猛暑の可能性もあるので油断は大敵です! 

・レース以外の荷物は大きなリュックにまとめて持って来る

宿泊される方は、リュックに荷物をまとめておくことをお勧めします

ゴール後、室堂から雷鳥荘までは疲労し切った体で1kmくらいのアップダウンの石畳を進んでいかなくてはなりません

登山用リュックであれば比較的楽にいける程度なのですが、両手に荷物をもって・・・となると大変と思います

・スタッフと一緒に楽しむ&写真には笑顔で答えよう!

この大会はスタッフがとてもフレンドリー!

そして、写真もたくさん撮ってくれてFBや個人宛にメールで送ってくれます(画質もよかった)

たとえ疲れ切っていたとしてもカメラを向けてくれたら笑顔で答えましょう!

あとでその写真を見つけると大会参加してよかった!と改めて感じることができますよ。(ゴールの写真も一人ずつしっかり撮ってくださいました!)

以上、今後参加を考えている方は参考にしてみてください!

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